年金を受給しながら働くと年金が減額される?在職老齢年金って何だ?

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お父さん!今日銀行に行ったら年金の額が減っていたわよ!

ああ、そう言えば支給額変更通知書が届いていたね。

え~!?なぜ年金が減らされたの?

勤務先からの報酬額の変更の届があったからだと書かれていたよ。確かに給料が上がったからしょうがないのかな?

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在職老齢年金の仕組み

在職老齢年金とは簡単に言いますと「年金を受け取りながら厚生年金に加入して働くと給料の金額に応じて老齢厚生年金の一部もしくは全額が止まる」という仕組みです。

「厚生年金に加入して」というのが条件で、厚生年金に加入せずにパート勤めやアルバイトで働く場合は年金に調整が入ることはありません。

1.支給停止額の計算方法

65歳未満と65歳以上では支給停止額を計算する際の基準額が異なります。

「基本月額」+「総報酬月額」が65歳未満の方は280,000円を超える場合、65歳以上の方は470,000円を超える場合に超えた額の半分が支給停止されます。

*企業年金基金がある場合は基金代行部分のひと月あたりの金額も加えます。

・基本月額:ひと月あたりの厚生年金支給額(報酬比例額)

・総報酬月額:標準報酬月額+標準賞与額

・「基本月額」は「年金額改定通知書」などの厚生年金の「基本額」を12で割った金額です。

・「標準報酬月額」は4~6月の3か月間に受け取った給料の総支給額を3で割った金額を等級表にあてはめて算定されます。等級表は以下の通りです。

標準報酬月額の算出例

受け取った給料の総支給額が4月は250,000円、5月は270,000円、6月は240,000円だった。

3か月の平均は(25+27+24)÷3=25.3なので253,000円。

表に当てはめると25,0000円~270,000円の間になるので、等級は17で標準報酬月額は260,000円となる。

*算定に含める月は給料の支払い対象となる日が17日以上あることが条件です。もし5月が17日に満たなければ4月+6月のふた月の平均を取る。

ちなみに、有給休暇は給料の支払い対象となる日です。

・「標準賞与額」は直近1年間に受け取った賞与額を足して12で割った金額です。

分かりやすく計算例を挙げてみます。

支給停止額の計算例

Aさんは63歳で特別支給の厚生年金を年額で1,200,000円受け取っています。

また、会社から受け取った4~6月の給料平均額は260,000円で、ボーナスを7月に55,0000円と12月に650,000円受け取りました。

それとは別に企業年金基金から年150,000円受け取っていて、そのうち代行部分は120,000円です。

<Aさんの支給停止額の計算方法>

・「基本月額」は1,200,000円÷12=100,000円

・「標準報酬月額」は17等級で260,000円

・「標準賞与額」は(550,000円+650,000円)÷12=100,000円

・「基金代行部分」は120,000円÷12=10,000円

全部足し合わせると

100,000円+260,000円+100,000円+10,000円=470,000円

65歳未満の方の基準額は280,000円なので、470,000円から280,000円を引きます。

470,000円-280,000円=190,000円

超えた金額の半分が支給停止額となりますので2で割ります。

190,000円÷2=95,000円

Aさんの支給停止額は月95,000円で×12で年1,140,000円の停止となります。

元々の年金支給額は年1,200,000円なので年60,000円だけが支給されます。

65歳以上の方の場合は「基本月額」=「報酬比例額」となり、「加給年金」と「経過的加算額」は含めずに計算します。

また基準額は280,000円ではなく470,000円となります。

もし計算した結果が全額停止となり、基金代行部分まで全て停止となる場合は加給年金も支給停止されます。その場合は「経過的加算部分」のみ支給される。

尚、基礎年金に調整が入ることは一切ありません。

2.定時決定と随時改定

では、もし給料額などが変わった場合、どのようなタイミングで支給停止額の再計算が行われるのか説明いたします。

①定時決定

「定時決定」とは毎年9月に行われる支給停止額の決定のことです。

流れとしては4月~6月に支払われた給料の平均額を算出し、等級表にあてはめて決定された標準報酬月額で「算定基礎届」が7月初旬に会社管轄の年金事務所に提出されます。

8月で事務処理が行われて9月分の年金額から反映されることになります。基本的にこの時決定された金額が翌年の8月分まで続きます。

②随時改定

年の途中で固定的賃金が大きく(2等級以上)変わった場合、引き続く3か月間の給料の平均額を算出して「被保険者報酬月額変更届」が提出され、4か月目に支給停止額の再計算が行われます。

例えば基本給が下がり10月から3か月以上引き続き給料額が300,000円から240,000円に下がったとします。等級表に当てはめると19等級→16等級に変わります。

標準報酬月額が240,000円に変わったという「月額変更届」が提出され、1月分の年金から支給停止額が変わることになります。

ただし、300,000円→280,000円に下がった場合など、1等級しか変わらない場合は随時改定は行われません。

2等級以上変わった場合のみ随時改定が行われます。

また、固定的賃金である基本給は上がったが、残業代などの非固定的賃金が下がって総支給額自体が下がった場合は随時改定は行われません。その逆も然り。

そして随時改定が7~9月の間に行われた場合と、6/1~7/1の間に厚生年金に加入した場合は定時決定は行われません。

3.退職改定と継続雇用

①退職改定

退職した場合、年金との調整はどうなるのか?

例えば9/30付で退職した場合(19日付とかでも同じですが)、そこから1か月の間に再度の厚生年金加入が無ければ「退職改定」という処理が行われます。

翌月10月分の年金から支給停止が解かれた金額で支給されることになります。

1か月間は処理が入らないので、会社から「資格喪失届」が提出されるタイミングによっては次の年金振込み時に間に合わないことがあります。

その場合は差額分が翌月(奇数月)に振り込まれることもあります。

②継続雇用

60歳で一旦退職し、継続雇用される方も多いですね。その場合は支給停止額はどのように計算されるのか?

例えば60歳で一旦退職するまでは標準報酬月額が500,000円で、再雇用時に300,000円に下がったとします。

9/30付で一旦退職して10月から再雇用となった場合、10/1が資格喪失日となり同じ10/1が資格取得日という扱いになります。

この場合、新賃金である30,0000円で支給停止額が計算されるのは11月分からとなります。10月分までは500,000円で計算がされます。

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4.ボーナス金額が変わった場合

賞与額が変わった場合は賞与支給月分から支給停止額が変わります。

例えば昨年の7月に500,000円の賞与が支給されていて、今年は7月に300,000円しか支給されなかった場合、7月分の年金から300,000円で計算した支給停止額に変更されます。

5.高年齢雇用継続給付の支給を受けている場合

雇用保険から高年齢雇用継続給付金の支給を受けている場合は、在職老齢年金とダブルで調整が入ることになります。

雇用継続給付金を受けていることによる支給停止額は最大で新賃金の6%です。

例えば60歳以降の新たな標準報酬月額が200,000円の場合は×6%で12,000円/月の停止額となります。

12,000円×12で年間の支給停止額は144,000円となります。

高年齢雇用継続給付との調整に関して詳しくはこちらをご覧下さい。

まとめ

在職老齢年金という仕組みは「年金とは元々、退職した方に対して支給されるもの。在職している方に多くの年金支給があると勤労意欲の喪失につながる」という考えの元につくられたものです。

建前はこのようになっていますが、本当のところはどうなんでしょう?

一生懸命に働いて支払った年金が、一生懸命に働いていると減らされる。

なんか矛盾を感じます。当事者の方々は全く納得のいかないところだと思います。

ただ、これも少子高齢化が進む日本では致し方ないことかもしれません。

みなさんの子供や孫たちのためと思い我慢するしかなさそうです。

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